ShopBot Camp #5 in岡崎 イベントレポート

2026/7/6

ShopBot Campとは?

「ShopBot Camp」は、アメリカのShopBotオーナーが集う交流会を日本でも実現したい!という想いから始まった、ShopBotで「ものづくり」をする人のための特別なイベントです。これまでにVUILD川崎ラボでの初回(ゼロ回)を皮切りに、全国各地のオーナーさんの拠点で回を重ねてきました。参加は無料。ShopBotでの「ものづくり」に少しでも興味がある方なら、どなたでも大歓迎です!

過去のレポートはこちらです! 

#0 VUILD 川崎ラボ

#1 KOKOK 横浜

#2 SSca 広島

#3 ポートフォリオ大阪

#4 さつき 岡山・西粟倉村

▲前回(#4)の岡山で開催されたShopBotCampの様子。中央に見えるアーチはイベント中にみんなで組み立てた波板とCNCパーツを組み合わせた小さな屋台!


はじめに

こんにちは! みなさまいかがお過ごしでしょうか。じめっとした空気の梅雨のさなか、ときおり夏の日差しも感じたりして、いよいよ本格的な暑さが近づいてきましたね。今年はどんな夏が待ち受けているのやら。

さてさて、少し時間が経ってしまいましたが、毎年恒例のShopBot CAMPが今年も開催されました! 記念すべき第5回の舞台は、愛知県岡崎市。VUILDと2025年からカルチャー協業先としてつながっている一般社団法人AndForest(代表理事:加藤隆人)さんが拠点とするエリアです。

「森とまちをつなぐ」 をテーマに、木育・森林体験・デジタルものづくりなど、さまざまな切り口から“森との新しい関わり方”を提案しているAnd Forest。今回のCAMPは、彼らが普段開催している 「流域ツアー」 をShopBot CAMP仕様にアレンジした企画でした。

「流域」というだけあって、この日は一日をかけて、山の奥(上流)からまち(下流)へと少しずつ下っていく道のり。森で育った木が、製材され、加工され、やがて誰かの暮らしになる——その流れをまるごと体感する一日です。

朝から夕方までの盛りだくさんな行程に、南は徳島、北は東京と各地からお集まりいただき、スタッフ含めて総勢40人ほどの大所帯となりました。飛び入りで参加することになった私、戸倉(普段は設計業務をしています)が、現場の様子をダイジェストでお届けします!

▲ And Forestが目指す、流域でめぐる自然と経済の循環


多彩な職能が集結! フラッシュトーク @千万町小学校

「ぜまんじょ小学校」と読むそうです。朝10時ごろ、岡崎市内から40分ほど山あいへ入った先にある千万町小学校に、さまざまな地域のナンバープレートがついた車が集まってきました。

校庭に面した明るい会議室をお借りして、みなさんが揃ったところで、まずは自己紹介から。司会進行はVUILD入社2年目の青柳くん。テンポの良い進行がなかなか良いね!

建築設計事務所さん、材木屋さん、建具屋さん、家具屋さん、大学の先生とその研究室の学生さん……と、実にさまざまな職能の方々にお集まりいただきました。それぞれが、最近取り組んでいるShopBotでのものづくりをシェアしてくださいました。

家具、建具、建築部材、実験的なプロダクト——同じ機械を使っているのに、こんなにも出てくるものが違うのか。ShopBotの多様な使い方を目の当たりにして、朝から一気に引き込まれてしまいました。

▲ 全員参加のフラッシュトーク。作品を通してそれぞれのキャラクターが垣間見える時間。


価値になりにくい木を、どう活かす? 白井製材所へ

続いて向かったのは、地元の白井製材所さん。丸太が製材されていくシーンを間近で見学させていただきました。大きな刃が木を割いていく音と匂いは、やはり現場でしか味わえないもの。

印象的だったのは、「価値をつけにくい材料をどう活かすか」というお話。曲がっていたり、節が多かったり、これまで市場に乗せにくかった木を、ShopBotのようなデジタル加工機でどう活用していけるか——現場を預かる立場から、熱のこもった言葉で語っていただきました。上流で生まれる“余り”をどう引き受けるかは、まさに流域全体で考えるべきテーマです。

▲ 製材の現場を拝見。丸太→ 素材になっていく木のはじまりに立ち会う。


森が工房になる! mori mobiと森林ツアー

いよいよ流域の最上流、森へ。And Forestさんの案内で、木々の間を歩きながら森のことを教えてもらいます。

そしてここで登場するのが mori mobi。小型のShopBot(ShopBot Desktop MAX)を積み込んだ緑色の車両(車両ベースはあのクロネコヤマトのクイックデリバリー!)で、森のなかにそのまま“工房”を持ち込んでしまう発想です。

驚いたのが、その電源。ShopBot Desktop MAXは100Vで動くのですが、なんとこの日は大型のポータブルバッテリーで駆動していました。聞けば、半日程度なら余裕で動いてしまうのだとか。つまり、電線もコンセントもない森のど真ん中で、完全なオフグリッド加工が成立してしまうのです!「森が工房になる」というのは、比喩ではなく本当の話でした。

伐った木をその場で加工する——搭載されたインデクサーを使い、丸太を回転させながら削り出していく実演も。木が立っていた場所のすぐ隣で、それが形になっていく光景は、都市の工房ではなかなか味わえない不思議な感覚でした。

▲木々に囲まれながら手入れされている山と、そうではない山についての解説を聞く。

▲ オフグリッドで地域を巡る緑の工房 mori mobi。SHIDAの野田さんが解説してくれています。


森の木が、暮らしになる。NESTINGの家へ

森からまちへ。流域を下りきった最後の目的地は、岡崎市内。ここでお邪魔したのは、ShopBotで切り出したパーツを使って建てられた、若いご夫婦、村瀬さんのお宅です。

この家は、ShopBot Campの運営でもあるVUILDがこれまで手がけてきた家づくりサービス 「Nesting」 から生まれたもの。地元の材をShopBotで加工し、基礎づくりから建て方、仕上げまで——そのほとんどをお施主さん自身が主体となって手がけた住まいです。

だから、ここには驚くほどたくさんの人が関わっています。森で木を育てる人、製材する人、データをつくる人、そして自らの手で家を組み上げた家族とその友人たち。ひとつの家に、これだけの職能と想いが集まっているのか、と。まさに「森や地域とつながる、暖かい家」でした。

お宅では、みんなで制作プロセスの動画を拝見。基礎に立ち向かい、パーツを起こし、少しずつ我が家が立ち上がっていく——子どもも大人も一緒になって家づくりに参加していく映像に、思わず胸が熱くなってしまいました。

デジタルで加工された地元の木が、住まい手自身の手で組み上げられ、実際の暮らしになっている。上流の森で見た木が、こうして下流の生活へとたどり着く——一日かけてめぐってきた「流域」の物語が、最後にきれいにエンディングを迎えた瞬間でした。

▲ みんなで制作プロセスの動画を鑑賞。子どもも大人も家づくりに参加した記録


おわりに

森で育った木が、製材され、まちで加工され、やがて誰かの暮らしになる。ばらばらに見えていた職能の人たちが、この一日で「流域」というひとつの流れのなかでつながっていく——そんな手応えのあるCAMPでした。

飛び入り参加の私自身、設計者としてふだん図面の上でしか触れていなかった「木のはじまりから終わりまで」を、五感をつかって感じられた濃い一日に。このCampでの出会いや学びを糧に、また皆さんと笑顔で再会できる日を楽しみにしています!

ShopBot Campは不定期開催・参加無料。ものづくりに少しでも興味のある方なら、職能も経験も問わず、どなたでも歓迎です。導入検討の方、オーナーではないけれど興味がある方も、次回開催をお楽しみに。

ShopBotについてもっと知りたい方・実機見学・テスト加工の相談などお気軽にこちらよりお問い合わせください。https://shopbot.vuild.co.jp/contact 

▲ 地元の材とShopBot、そして関わるみんなの手で建てられたNestingの家。記念撮影をぱしゃり。

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